【屋根の防水について】台風や爆弾低気圧・経年劣化で雨漏りしないように、屋根防水の……
☆屋根の防水(雨漏りをさせない)
屋根は使用する材料、勾配、施工方法などで性能に違いが生まれます。屋根の形状が複雑になれば雨漏りのリスクが高くなり、重い材料を使用して重量が増えれば構造を変える必要が生まれます。
①野地合板
野地は小屋組の剛性を高める効果があり、耐力壁や剛床などと同様に構造上重要な箇所です。野地合板を施工する際には12㎜程度の構造用合板の場合、周辺部100㎜間隔、中央部200㎜間隔で釘止をします。その際、釘の頭が厚みの1/3以上めり込んでいないことも確認する必要があります。また、野地合板のジョイント部には防水テープを貼ります。先端までしっかり施工され、防水テープの継ぎ目が重ねて貼られていることが、防水上重要です。
②アスファルトルーフィング
屋根材は滑り台のように雨を流すことが役割で、雨の侵入を完全に防ぐことはできません。屋根材の下にあって、雨の侵入を防いでいるのはルーフィング(防水シート)です。屋根材の隙間などから侵入した雨から家を守るのはルーフィングの役目です。ルーフィングがあることで、コンパネなどの木材に雨水が吸収されることを防止し、雨漏りを防止します。
ルーフィングの1つであるアスファルトルーフィングは有機天然繊維を主原料としたフェルト状の原紙にアスファルトを浸透・被覆し、その両面に鉱物質の粉末を付着させたもので、主にアスファルト防水や屋根などに用いられる防水・防湿材料です。
③ルーフィングの重ね代
ルーフィングシートの重ね代が確保されているかどうかは重要です。多くの製品には重ね寸法が印刷されているので、その寸法が守られているかがポイントなのです。一般的には縦のジョイントの重ね代は100㎜以上、横のジョイントの重ね代は200㎜以上、けらば部分の重ね代は500㎜以上が必要です。外壁と取り合うルーフイングの場合は、外壁に250㎜以上を立ち上げる必要があります。立ち上げた端部は外壁側の防水シートと連続させ、防水テープでしっかりと留めます。
③壁面との取り合い
壁面との取り合い、谷、トップライト、煙突、屋根窓周りは雨漏りが生じやすい場所です。こうした場所では、通常2重に捨て張りを行います。谷部では幅1,000㎜以上を全長にわたって捨て張りします。
④雨樋
雨樋は軒先に流れ落ちる雨水を集めて地上や排水溝などに流す役目があります。
軒先につく平行なものは軒樋、壁に垂直についてまたは下屋などに設置されて、水を下に流すものを縦樋と言います。軒先につく軒樋の水を縦樋に落とすための接合部分を集水桝(あんこう)と言います。
〇雨樋には、軒樋、呼び樋、這い樋、縦樋があります。
〇材質は塩化ビニル製と金属製があります。
〇軒樋は、縦樋に向かい1/80~1/200程度の水勾配をとります。
〇形状は、半円形または角型で、径は105~120㎜、丸樋の深さは直径の1/2となっています。
〇軒樋受金物は、600㎜以内の間隔で取り付けます。
〇縦樋は軒樋から呼び樋を通って雨水が誘導されます。
〇屋根の面積によって樋の径を変えます。
〇樋の径を小さくしてしまうと雨水がオーバーフローしてしまいます。
※屋根部や雨樋などの高所は、なかなか目視で確認が取れないのが現状ですので、工事をしてもらう業者にしっかりと写真などで、作業工程や仕様を確認する事が大事なポイントになります。